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子連れスポット検索を作った話(0〜5歳特化、関東3,500件超)

2026-04-25 子連れスポット子育てGoogle MapsCloudflare Pages

未就学児を連れて出かける時、いつも「今日どこ行こう」で迷っていました。検索すると いこーよ や こどもとおでかけ など定番サイトがヒットするのですが、対象年齢が 0〜12歳 とかなり広い。「3歳児を連れて行ける範囲」で絞り込めず、結局スクロールしながら自分の頭で選別することになります。

レビューや混雑情報の精緻さでは大手サイトに勝てない。でも 「年齢を絞り込めない」「網羅性が足りない」 という不満ポイントは、個人開発でも十分に解消できそう ── そう思って作りました。

何ができるツールか

kids.tool-koubou.com で使えます。

思想:レビューより網羅性

このツールは レビューを書きません。理由は2つあります。

  1. レビュー運用は重い。投稿管理・スパム対策・通報対応が必要で、個人運営には向かない
  2. 大手サイトに勝てる勝負ではない。あちらは数百万のレビューを抱えている

代わりに 「あなたの周辺にこういう施設があります、開館情報は公式で確認してね」 という案内に徹底。網羅性を最大化する設計にしました。

作り方:3,500件をどう集めたか

データ収集は3層構成にしました。

  1. OSM Overpass API(OpenStreetMap)から関東7都県の動物園・水族館・博物館・図書館・公園を取得 → 約3,400件
  2. 手動キュレーションで大手チェーン(ボーネルンド・キドキド・ファンタジーキッズリゾート等)と認知度の高い施設を追加 → 約100件
  3. 記事発掘で note・アメブロから「3歳と行ってよかった場所」系の記事をクロールし、施設名を LLM で抽出してジオコーディング → 約40件

3つ目の「記事発掘」は、毎週月曜の夜中に Anthropic のクラウド routine が自動で走ります。新しい記事を見つけ → 施設名を抽出 → 緯度経度を取って → spots.json に追記 → GitHub に push、まで全自動。何もしなくても毎週ちょっとずつ施設が増える 仕組みです。

公園データの罠

OSMの leisure=park をそのまま入れると、住宅地の中にある名もなき街区公園が大量に混ざります。「○○公園」と名前がついていても、子連れで行く価値があるとは限らない。

そこで name~"公園$" かつ wikipedia / wikidata タグを持つ公園に限定 という制約をかけました。Wikipedia 記事があるレベルの公園なら、最低限「行く価値のある場所」だろう、という割り切り。これで街区公園を排除しつつ、有名な大型公園は残せました。

隠れスポット — このツール独自のカテゴリ

定番の動物園や博物館だけだと、結局 既存サイトと差別化できない。そこで kids_space という独自カテゴリを作りました。例えば:

こういう「知ってる人は知ってるけど、検索してもなかなか出てこない場所」を集めることで、家族向けサイトとしての存在価値を出しています。

技術構成

サーバー側のフィルタ処理ゼロ。3,500件くらいなら全件配信+クライアントフィルタの方が速くて運用も楽です。

おまけ:Google Maps の予算アラート

Maps JavaScript API は無料枠が広いとはいえ、何かの拍子に予想外の課金が起きるのが怖い。Cloud Billing で 月¥500の予算アラート(50% / 90% / 100% でメール通知)を設定し、API キーには HTTPリファラ制限と API 種別制限をかけています。これで安心して Maps を埋め込めるようになりました。

まとめ

家族で出かける時に毎週開きたくなる、そんなツールに育てていきます。「ここが載ってない」「このカテゴリも欲しい」というリクエストは tool-koubou.com のリクエストフォームから送ってもらえると嬉しいです。


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