ボツになったツールアイデア集
私には、完成したツールと同じくらい、途中でボツになったアイデアがあります。
「これ、あったら便利かも」と思って考え始めたものの、途中まで作ってみたり、Claude Code に相談してみたりするうちに、「これは今の自分には難しそうだ」と判断してやめたものたちです。
この記事では、そういうボツになったアイデアを正直に並べてみます。
見送った話ではありますが、振り返ってみると、自分がどんなツールなら作り続けられるのか、少しずつ分かってきた気がします。
乗換案内ツール
最初に「あったら便利かも」と思ったのが、子連れ向けの乗換案内ツールでした。
ベビーカーで移動するときは、
- エレベーターがあるか
- 階段を避けられるか
- 乗り換えが大変すぎないか
- 駅の中でどれくらい歩くか
がかなり重要です。
Yahoo!乗換案内や Google Maps はとても便利ですが、「ベビーカーで本当に移動しやすいか」という目線では、まだ分かりにくいこともあります。
そこで、子連れスポット検索と同じように、
「子連れ・ベビーカー目線に特化した乗換案内が作れないかな」
と考えました。
ただ、少し調べてすぐに難しさが分かりました。
乗換案内で大事なのは、電車の時刻、遅延情報、路線データ、駅構内の情報です。しかも、それらは毎日変わります。
電車が遅れることもありますし、エレベーターが工事中になることもあります。駅の構造や乗り換えルートも、正確でないと困ります。これを個人で正しく保ち続けるのは、かなり難しいと感じました。
公式データを使う方法もありそうでしたが、利用ルールや更新の手間を考えると、今の自分が扱える規模ではなさそうでした。
特にエレベーター情報は、間違っていると困る情報です。「エレベーターあり」と表示しておいて、実際には工事中だったら、ベビーカー利用者にとってはかなり大きな問題です。便利そうではありましたが、誤った情報を出してしまうリスクの方が大きいと思い、このアイデアはボツにしました。
学び:大手サービスが強く、しかも最新情報の管理が重要な分野は、個人ではかなり難しい。
食費の記録・分析ツール
次に考えたのが、食費を記録するツールです。
もともとは、自分が家計簿を続けられないことがきっかけでした。レシートの写真を撮るだけで、AIが品目や金額を読み取って、月ごとの食費をまとめてくれたら便利そうだと思ったのです。
最初はかなり良さそうに見えました。
- スーパーで何にいくら使っているか
- 外食が多い月はどれくらいか
- 日用品と食費がどれくらい混ざっているか
こういうことが見えると、家計管理に役立ちそうです。
ただ、実際に考えていくと、難しいのは文字の読み取りだけではありませんでした。
一番難しそうだったのは、続けられる仕組みにすることです。家計簿アプリは、最初はやる気があっても、だんだん面倒になります。
レシートを撮る。内容を確認する。間違いを直す。カテゴリを分ける。あとでグラフを見る。──この流れを毎回やるのは、思ったより大変です。
作っている途中で、
「自分は本当にこれを毎日使うだろうか?」
と考えました。正直、自信がありませんでした。便利そうではあるけれど、自分が毎食・毎週きちんと使う姿があまり想像できなかったのです。
そこで、このアイデアもいったんボツにしました。
学び:「作れそう」と「自分が使い続けたい」は別。自分が使い続ける自信がないツールは、途中で止まりやすい。
地方移住コスト比較ツール
もうひとつ考えたのが、地方移住のコスト比較ツールです。
「東京から地方に移住するとしたら、どこが暮らしやすいのか」という興味から始まりました。
市区町村ごとに、
- 家賃の目安
- 食費や生活費
- 車が必要か
- 病院やスーパーの多さ
- 自然の多さ
- 子育てのしやすさ
などを比べられたら面白そうだと思いました。
でも、ここでも壁になったのはデータでした。家賃相場は常に変わります。市区町村ごとの生活費も、正確に出すのは簡単ではありません。交通の便利さや子育て環境も、数字だけでは判断しにくい部分があります。
最初は、「AIに調べてもらって、一覧にすればよさそう」と思っていました。でも、地名、金額、調査時点がそろった正確な情報を出すのは、かなり慎重にやる必要があります。
もし古い家賃相場や、根拠の弱い数字を出してしまうと、読んだ人に誤解を与えてしまいます。比較ツールは便利ですが、その分、
「この数字は本当に正しいのか」
と聞かれたときに、答えられる根拠が必要です。その根拠を集め続ける手間まで考えると、今の自分には少し大きすぎるテーマだと感じました。
このアイデアも、面白そうではありましたが、いったんボツにしました。
学び:比較ツールは、数字の根拠を出せないと危ない。情報を更新し続けるコストまで考える必要がある。
ボツにしたことで分かってきたこと
こうして振り返ると、ボツになったアイデアには共通点がありました。
ひとつ目は、大手サービスが強すぎる分野です。乗換案内のように、すでに大手が便利なサービスを作っていて、しかもデータ量も圧倒的な分野に、個人が正面から入るのはかなり難しいです。
ふたつ目は、最新情報を保つのが大変な分野です。時刻表、エレベーターの状況、家賃相場、生活費などは、情報が古くなるとすぐに価値が下がります。個人で作るなら、作ったあとも更新し続けられるかを考えないといけません。
三つ目は、自分が本当に使い続けるか分からないものです。「面白そう」と思っても、自分の生活の中で出番が少ないものは、作る途中で熱が冷めやすいです。
逆に、今も動いているツールには、共通点があります。
- 自分が実際に使う
- 大手サービスでは少し足りない部分を補っている
- 情報の元が比較的安定している
- 作ったあとも改善しやすい
○×トラッカー、ホテル検索、子連れスポット検索などは、この条件にかなり近いです。
今は新しいツールを思いついたときに、まず次の3つを考えるようにしています。
- 自分が本当に使うか
- 情報を更新し続けられるか
- 既存サービスと違う切り口があるか
この3つがそろっていないアイデアは、いったん保留にします。
完成したツールの裏には、ボツになったアイデアもたくさんあります。
子連れ向け乗換案内、食費の記録ツール、地方移住コスト比較ツール。どれも最初は面白そうだと思いましたが、調べていくうちに、今の自分には難しい理由が見えてきました。
ボツにしたこと自体は無駄ではありませんでした。むしろ、何を作らないかを決めることで、何を作るべきかが少しずつ見えてきた気がします。
これからも、思いついたものを全部作るのではなく、自分が本当に使い続けられるものを選びながら、少しずつツールを育てていきたいです。
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