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教育資金と新NISA — ジュニアNISA終了後の積立戦略

📌 情報の取り扱いについて:本記事は2026年5月時点の公開情報をもとに作成し、制度の内容は2026年7月29日に再確認しています。NISA、児童手当、贈与税、教育資金関連制度、金融商品の仕様は、税制改正や制度変更により内容が変わることがあります。利用前には、金融庁・国税庁・文部科学省・こども家庭庁・各金融機関などの公式情報をご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・金融機関・投資手法の利用や投資判断を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、過去の運用成果やシミュレーション結果は将来の成果を保証するものではありません。投資判断は、ご自身の家計状況・教育方針・リスク許容度を踏まえてご判断ください。記載に誤りを見つけられた場合はお問い合わせフォームよりご連絡いただけると助かります。

子どもの教育資金は、子育て世帯にとって大きなお金の課題です。

2023年でジュニアNISAの新規投資は終了しました。そのため、現時点では、親のNISA枠、預貯金、児童手当、学資保険などを組み合わせて教育資金を準備する方法を考える必要があります。

また、令和8年度税制改正の大綱・関連資料では、2027年1月以降、0〜17歳にもNISAのつみたて投資枠を広げる内容が示されています。今後は、親のNISAだけでなく、子ども名義のNISAも選択肢になる可能性があります。

ただし、制度の詳細、金融機関での対応、対象商品、払出し条件、手続き方法などは、今後の公式情報で確認が必要です。利用を検討する場合は、必ず最新の公式情報をご確認ください。

この記事では、教育資金の積立戦略を整理します。

教育資金はいくら必要か

大学まで進む場合の教育資金は、公立か私立か、学部、自宅から通うか一人暮らしかによって必要額が大きく変わります。細かい金額は進路が見えてこないと決まりません(進学費用の目安は、文部科学省や日本政策金融公庫が公表している調査で確認できます)。しかし、急に用意できるわけではないので、あらかじめ高額になることを前提に用意しておく必要があります。

教育資金は「大学入学時にまとまって必要になるお金」と「幼稚園から高校まで毎年かかるお金」に分けて考え、大学入学前後にまとまって必要になるお金は預貯金で確保しておくと安心です。

毎年かかるお金のうち、家庭で選べる習い事や通信教育の費用は、ブランドごとに料金や対象年齢が幅広く異なります。就学前〜小学生の通信教育の料金を比べたいときは、通信教育の費用比較(キッズ集)で各社の月額をまとめて確認できます。

ジュニアNISA終了後の選択肢

ジュニアNISAは2023年で制度が終了し、2024年以降は新規投資ができなくなりました。すでにジュニアNISAで保有している商品は、一定の条件のもとで非課税保有や払出しが可能ですが、これから新しくジュニアNISAで教育資金を積み立てることはできません。

現在、教育資金を準備する主な選択肢は次のとおりです。

  1. 親のNISA枠で運用する
  2. 値動きのない預貯金で準備する
  3. 児童手当を教育資金として貯める
  4. 学資保険を使う
  5. 2027年1月以降、制度が利用可能になれば子ども名義のNISAも検討する

現行のNISAでは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円、合計で年間360万円まで投資できます。非課税保有限度額は総枠1,800万円で、成長投資枠はそのうち1,200万円までです。NISA口座内の商品を売却した場合、売却した商品の簿価分(購入時の金額。値上がり分は含みません)は、翌年以降に非課税保有限度額として再利用できます。

親のNISAは、教育資金準備にも使いやすい制度です。親名義の口座で運用するため、教育費として使わなかった場合は、そのまま親の老後資金として運用を続けることもできます。

一方で、親のNISAはあくまで親名義の資産です。教育資金と老後資金が混ざりやすいため、「どの部分を教育資金として使うのか」を家計内で分けて管理しておくことが大切です。

2027年1月以降の未成年向けNISA拡充について

令和8年度税制改正の大綱・関連資料では、2027年1月以降、NISAのつみたて投資枠の対象年齢を0〜17歳にも広げる内容が示されています。

示されている主な内容は次のとおりです。

項目 0〜17歳向けのつみたて投資枠の内容
対象年齢 0〜17歳
年間投資枠 60万円
非課税保有限度額 600万円
対象商品 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託など
払出し 原則として制限あり。12歳以降は、教育費・生活費等に用いる場合など、一定の要件と子の同意を満たす場合に払出し可能とされている
18歳以降 18歳以上向けのNISAへ移行する方向

この制度が実際に利用できるようになれば、子ども名義で教育資金を準備する選択肢が広がります。

ただし、制度開始前の段階では、実際の口座開設手続き、対象商品、払出しの細かい条件、親権者の管理方法、金融機関ごとの対応などは確認が必要です。施行が近づいたタイミングで、金融庁・財務省・各金融機関の最新情報を確認してください。

新NISAで教育資金を作る場合のリスク

NISAで教育資金を準備する場合、注意したいのは「使う時期がほぼ決まっている」という点です。

老後資金であれば、取り崩し時期をある程度ずらしたり、運用を続けながら少しずつ取り崩したりできます。一方で、教育資金は、大学入学金・授業料・下宿費用など、必要になる時期がかなりはっきりしています。

たとえば、子どもが大学に入る直前に大きな株価下落が起きると、売却はできても評価額が下がっていて、必要額を確保できない可能性があります。これは教育資金特有のリスクです。

対策としては、次のような方法があります。

  • 使う時期の3〜5年前から、徐々に現金比率を上げる
  • 大学入学金や初年度納付金など、時期が決まっているお金は預貯金で確保する
  • 教育資金の一部だけをNISAで運用し、全額をリスク資産にしない
  • 複数の子どもがいる場合は、最年長の子の進学時期に合わせて段階的に現金化する
  • 大きな下落時に慌てて売らないよう、あらかじめ取り崩しルールを決めておく

教育資金は「増やすこと」だけでなく、「必要な時期に使える状態にしておくこと」が重要です。

児童手当との組み合わせ

児童手当は、2024年10月分から制度が拡充されました。主な変更点は、所得制限の撤廃、支給対象の高校生年代までの延長、第3子以降の支給額増額、支給回数の年6回化です。

主な支給額は次のとおりです。

区分 支給額
第1子・第2子:3歳未満 月15,000円
第1子・第2子:3歳〜高校生年代 月10,000円
第3子以降 月30,000円
支給回数 偶数月の年6回

第3子以降の数え方では、親等に経済的負担がある場合、22歳年度末までの上の子もカウント対象になります。実際の受給条件や申請の要否は、住んでいる自治体の案内を確認してください。

児童手当をそのまま貯めていくと、第1子・第2子では18歳までの累計で約230万円前後になります(0歳から高校生年代の終わりまで、現行の支給額が変わらず全期間受給した場合の単純計算です)。これは大学費用のすべてをまかなえる金額ではありませんが、入学金・初年度納付金・受験費用などに備える大きな土台になります。

現実的には、児童手当は預貯金などで確実に確保し、それとは別に家計から出せる範囲でNISA積立を行う、という組み合わせが考えやすくなります。

積立プランの例

たとえば、子どもが0歳のときから18年かけて準備する場合、積立額によって到達額がどのくらい変わるのかを見てみます。

以下は、年5%で毎月末に216回積み立て、18年間売却しないと仮定した場合の概算です(月利は年5%÷12、手数料・税金・物価上昇は考慮していません)。実際の運用成果を保証するものではありません。なお、後述のように使う時期の3〜5年前から現金比率を上げる場合、結果はこの表とは変わります。

方法 月額 18年後の評価額の目安
児童手当を預貯金で確保 児童手当のみ 約230万円
NISAで月1万円積立 + 児童手当を預貯金 月1万円 + 児童手当 NISA部分 約350万円 + 児童手当 約230万円 = 約580万円
NISAで月2万円積立 + 児童手当を預貯金 月2万円 + 児童手当 NISA部分 約700万円 + 児童手当 約230万円 = 約930万円

※ 年5%・毎月末積立の概算です。実際の運用成果を保証するものではありません。市場環境、為替、税制、手数料、運用期間、売却時期によって結果は大きく変わります。

教育資金では、「全部を投資に回す」よりも、「確実に必要になる部分は現金で確保し、余裕部分を長期運用する」という考え方が現実的です。

特に、大学入学の数年前からは、NISAで運用している分を少しずつ現金化するか、リスクの低い資産に移すことも検討したいところです。

贈与税・名義の注意点

親のNISAで運用した資金を教育費に使う場合、名義と贈与税の扱いにも注意が必要です。

親などが、通常必要と考えられる教育費を必要な都度負担し、実際にその費用に充てる場合は、贈与税の対象外となることがあります(まとまった額をあらかじめ子ども名義に移す場合は扱いが異なります)。具体的な条件は国税庁の最新情報を確認してください。

一方で、まとまった資金を子どもの口座に移したり、子どもの投資資金として渡したりする場合は、贈与税が問題になる可能性があります。教育費という名目であっても、実際には預金や株式・投資信託の購入資金として使われる場合には、贈与税の対象になり得ます。

また、祖父母などから教育資金をまとめて贈与する制度として「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」がありましたが、この制度は2026年3月31日で終了しています。2026年4月1日以後は、新たにこの特例の適用を受けることはできません。ただし、2026年3月31日までにこの特例の適用を受けた信託受益権や金銭等については、引き続き制度の対象となる場合があります。

教育資金を祖父母から援助してもらう場合や、大きな金額を子ども名義に移す場合は、国税庁の最新情報をご確認ください。

親の老後資金とのバランス

教育資金を頑張りすぎると、親の老後資金が手薄になるリスクがあります。

教育資金は10〜20年後に必要になるお金、老後資金はさらに先の生活を支えるお金です。どちらも大切ですが、教育資金を優先しすぎて親の老後資金が不足すると、将来的に家計全体が苦しくなる可能性があります。

優先順位の目安は次のとおりです。

  1. 生活防衛資金を確保する
  2. 近い時期に使う教育費は預貯金で確保する
  3. 児童手当を教育資金の現金部分として貯める
  4. 家計に余裕があれば、NISAで長期積立を行う
  5. 老後資金としてiDeCoやNISAを検討する
  6. さらに余力があれば、NISAの成長投資枠などを活用する

iDeCoは老後資金づくりには有力な制度ですが、原則として60歳まで引き出せません。そのため、大学費用などの教育資金には向きません。

NISAは売却して現金化しやすいため、教育資金と老後資金の両方に使いやすい一方、使いすぎると老後資金が減ってしまいます。教育資金用、老後資金用と、目的別に金額を分けて管理することが大切です。

学資保険は選択肢としてどうか

学資保険は、教育資金を計画的に準備するための保険商品です。商品によっては、契約者である親に万が一のことがあった場合に、その後の保険料払込が免除され、満期金や学資金を受け取れる保障が付いています。

メリットは、強制的に貯めやすいこと、満期時期を大学入学前などに合わせやすいこと、保障機能があることです。

一方で、低金利環境では返戻率が高くない商品もあり、途中解約すると元本割れすることがあります。また、NISAは運用益を非課税にする制度で、期待できるリターンや値動きの大きさはその中で選ぶ商品によって決まります。学資保険とは仕組みが異なるため、そのまま利回りを比べられるものではありません。

すでに学資保険を契約している場合、無理に解約する必要はありません。解約返戻金が払込保険料を下回ることも多いため、契約内容、返戻率(払い込む保険料の総額に対して受け取れる総額の割合)、満期時期、保障内容を確認したうえで判断してください。

これから準備を始める場合は、まず使う時期が決まっているお金を預貯金で確保し、余裕のある部分をNISAで運用する形が組み立てやすくなります。親に万一のことがあったときの備えが必要なら、掛け捨ての定期保険で確保する方法があります。学資保険は必須ではありませんが、比較する場合は中途解約時の元本割れや受取条件を確認してください。

まとめ

ジュニアNISAが終了した今、教育資金は、親のNISA、預貯金、児童手当、学資保険などを組み合わせて準備するのが現実的です。

現行NISAは、親名義で柔軟に使える制度です。教育資金として使わなかった分を老後資金に回せる一方、教育資金と老後資金が混ざりやすい点には注意が必要です。

また、令和8年度税制改正の大綱・関連資料では、2027年1月以降に0〜17歳向けのつみたて投資枠を設ける内容が示されています。制度が始まれば、子ども名義のNISAも教育資金準備の選択肢になる可能性があります。ただし、実際の開始時期、対象商品、払出し条件、金融機関の対応などは、最新の公式情報を確認してください。

教育資金は、使う時期がほぼ決まっています。すべてを投資に回すのではなく、大学入学前後に必要になるお金は預貯金などで確保し、長期で使える余裕資金をNISAで運用する、という考え方が取り入れやすいでしょう。

過去の運用実績やシミュレーション結果は、将来の成果を保証するものではありません。投資判断は、家計状況、教育方針、リスク許容度を踏まえて、ご自身で判断してください。

※ 教育費は、進学先・地域・通学形態・生活水準によって大きく変わります。実際の必要額や最新の制度・補助金は、文部科学省、こども家庭庁、自治体、各学校の公式情報でご確認ください。

よくある質問

Q1. ジュニアNISAは今も使えますか?
ジュニアNISAは2023年で制度が終了し、2024年以降は新規投資ができなくなりました。すでにジュニアNISAで保有している商品は、一定の条件のもとで非課税保有や払出しが可能ですが、これから新しくジュニアNISAで教育資金を積み立てることはできません。
Q2. ジュニアNISA終了後、教育資金を準備する選択肢は何がありますか?
現在は次の選択肢があります。①親のNISA枠で運用する、②預貯金で値動きなく準備する、③児童手当を教育資金として貯める、④学資保険を使う、⑤2027年1月以降、制度が利用可能になれば子ども名義のNISAも検討する。それぞれを組み合わせて、家庭に合う配分を考えるのが現実的です。
Q3. 2027年1月以降に0〜17歳向けのNISAができると聞きましたが、内容はどうなりますか?
令和8年度税制改正の大綱・関連資料では、2027年1月以降、NISAのつみたて投資枠を0〜17歳に広げる内容が示されています。年間投資枠60万円・非課税保有限度額600万円、対象商品は長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託など、払出しは原則として制限あり(12歳以降は教育費・生活費等に用いる場合など、一定の要件と子の同意を満たす場合に払出し可能とされている)、18歳以降は18歳以上向けのNISAへ移行する方向です。実際の開始時期や金融機関の対応は、最新の公式情報で確認が必要です。
Q4. 2024年10月以降の児童手当の累計はいくらになりますか?
2024年10月分から制度が拡充され、所得制限が撤廃され、支給対象が高校生年代まで延長されました。主な支給額は、第1子・第2子の3歳未満が月15,000円、3歳〜高校生年代が月10,000円、第3子以降が月30,000円、支給回数は偶数月の年6回です。第1子・第2子では18歳までの累計で約230万円前後になります。
Q5. 教育資金を新NISAで準備する場合のリスクは何ですか?
教育資金は使う時期がほぼ決まっている点が特徴で、大学入学直前に大きな株価下落が起きると、売却はできても評価額が下がっていて、必要額を確保できない可能性があります。対策としては、使う時期の3〜5年前から徐々に現金比率を上げる、大学入学金や初年度納付金など時期が決まっているお金は預貯金で確保する、教育資金の一部だけをNISAで運用し全額をリスク資産にしない、などの方法があります。
Q6. 祖父母から教育資金をまとめて贈与してもらう非課税制度はまだ使えますか?
「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」は、2026年3月31日で終了しています。2026年4月1日以後は、新たにこの特例の適用を受けることはできません。ただし、2026年3月31日までにこの特例の適用を受けた信託受益権や金銭等については、引き続き制度の対象となる場合があります。詳細は国税庁の最新情報をご確認ください。
Q7. 学資保険は今からでも入る価値がありますか?
学資保険のメリットは、強制的に貯めやすいこと、満期時期を大学入学前などに合わせやすいこと、契約者である親に万が一のことがあった場合の保険料払込免除などの保障機能があることです。一方で、低金利環境では返戻率が高くない商品もあり、途中解約すると元本割れすることがあります。これから準備を始める場合は、使う時期が決まっているお金を預貯金で確保し、余裕のある部分をNISAで運用する形が組み立てやすくなります。親の死亡保障が必要なら掛け捨ての定期保険で確保できます。学資保険は必須ではなく、比較する場合は中途解約時の元本割れや受取条件を確認してください。

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