見出しに掲げた安さを、本文が「これはやめたほうがいい」と書いていました
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見出しと本文が、違うことを言っていました
スマホを2回線持つ方法の記事を書きました。見出しには、いちばん安く済む構成の金額を入れました。安さは分かりやすいですし、読んでもらう入口として効くと思ったからです。
ところが公開してまもなく、その安い構成には穴があると気づきました。そこで本文に注意を書き足し、すすめる構成を一段上のものに改めました。直した本文を通しで読み返していて、手が止まりました。本文はもう、その構成を否定しているのです。
理由は本文に書いてあるとおりで、その安い構成では、予備側の回線にデータ通信を使う準備がありません。片方が使えないときに自動で切り替わってほしいのに、切り替わった先で通信できないのでは、備えとして役に立たない。だから本文では「もう少し払って、こちらの構成にしましょう」と書いていました。
つまり、見出しでおすすめしていない金額を掲げ、本文でその金額を否定している記事になっていました。
読む人は、見出しの数字を持ち帰ります
これは良くないと思いました。
記事を最後まで読んでくれる人ばかりではありません。見出しと最初の数行だけを見て「そのくらいで2回線持てるのか」と受け取ったまま離れる人も、きっといるはずです。その人が持ち帰るのは、私がすすめていない数字です。
書いている側は、本文まで読まれる前提で見出しを付けてしまいます。でも読む側からすれば、見出しが記事の結論に見えます。いちばん目立つ場所に、いちばん責任の重い数字が置かれているという当たり前のことを、書いているときは忘れていました。
題から作り直しました
直すにあたって、部分的な手直しでは済みませんでした。見出しの数字を変えると、記事全体の組み立てが変わるからです。
新しい見出しには、本文が実際にすすめている構成の金額を入れました。そのうえで、いちばん安い構成は「これをすすめない理由」という節に降ろしました。消さなかったのは、その選択肢の存在を知りたい人もいるからです。ただ、置き場所を「入口」から「注意点」に移しました。
書き換えてみると、記事の見え方が変わりました。前は「安さを売りにした記事」でしたが、いまは「必要なものを備えたうえで、いくらに収まるかを説明した記事」です。数字としては少し高くなりましたが、この数字なら、読んだ人に胸を張って渡せます。
学び・安い数字を掲げたい誘惑がいちばん危ない
反省すると、私は「安い数字のほうが読んでもらえる」という気持ちに引っ張られていました。実際そうなのだと思います。だからこそ危ない。
看板に出す数字は、本文の結論と一致していなければならない。 書いてしまえば当たり前ですが、書いている最中は、見出しと本文を別々の作業として扱っていました。見出しは読まれるための工夫、本文は正確さのため、というふうに。
いまは、書き終わったあとに見出しだけを読み直して、その一文が本文の結論と同じかを確かめるようにしています。ここがずれている記事は、たとえ本文が正確でも、読んだ人にとっては不正確な記事です。
もうひとつ気づいたのは、このずれが最初からあったわけではない、ということでした。書いた時点では、見出しと本文は合っていたのです。本文を手直しして結論が動いたときに、見出しだけが置き去りになった。 以来、本文に手を入れたら、たとえ一段落の修正でも、最後に見出しへ戻って読み直すことにしています。見出しは最初に書くせいで、いちばん読み直されない場所になりがちだからです。
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