複数ツールのサイト反映管理
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サイトの数が増えてくると、作る作業そのものより、「どのサイトに、何を、どうやって反映するか」のオペレーションのほうで地味につまずくようになりました。
サイトを分けて運用するか統合するか、という設計そのものの話は別で書いたので(GitHubのリポジトリを用途で分けた話)、ここではもう分かれている前提で、私が日々の「サイトに反映する」作業を事故らせないために決めているルールを並べてみます。
古いフォルダから反映して、本番を巻き戻してしまった話
まず白状すると、私は一度、手元のフォルダが最新ではない状態で反映コマンドを叩いてしまい、本番を古い中身に戻してしまったことがあります。
そのサイトは自動でデータが更新されていく仕組みにしていたのに、手元のフォルダはしばらく前の状態のまま置いていかれていました。頭の中では「手元がいちばん新しい」つもりで「えいっ」と反映したら、本番がひと昔前の中身に巻き戻っていて、血の気が引きました。すぐ気付いて最新の状態に戻せたのでよかったのですが、しばらく心臓に悪い時間を過ごしました。
この一件以来、「手元のフォルダは最新か」「いま反映しようとしている先はどのサイトか」を、人間の注意力に頼るのをやめました。
具体的には、反映コマンドの直前に「手元が最新かどうか」と「反映しようとしている公開先」の組み合わせを確かめる仕組みを挟んでいます。危ない状態ならそこで止まってくれますし、巻き戻り事故を起こしたサイトについては、そもそも古くなりがちな手元のフォルダから直接反映すること自体をやめて、必ず最新の置き場から反映する手順に変えました。
人間が気をつけるより、機械に「それ危ないですよ」と止めてもらうほうが、私には合っていました。
どこに何を反映するかは表にして手元に置く
サイトが増えると、「このサイトは反映の前にひと手間いるんだっけ」「これはそのまま送るだけだっけ」が、だんだん思い出せなくなってきます。
私の場合、反映の前の下ごしらえがサイトごとに違います。ビルドが必要なサイトは「組み立ててから反映」の2ステップ、もとから出来上がっている静的なサイトは「反映だけ」の1ステップ、という具合です。
これを毎回思い出すのは無理だと早めにあきらめて、「どのサイトはどの手順で反映するか」を表にして手元のメモにまとめました。サイト名・公開先の名前・反映の手順を一行ずつ書いてあるだけの素朴な表ですが、これを見ながら作業するようになってから、「あれ、このサイトってどうやるんだっけ」で手が止まることがなくなりました。
新しいサイトを増やしたときも、まずこの表に一行足すところから始めます。表に載っていないサイトは反映しない、くらいの気持ちでいると、手順を覚えていない状態でうっかり本番を触る事故が減りました。
ローカルはポート番号をサイトごとに固定する
複数のサイトを抱えていると、ローカルで動作を確認するときに、同時に何個も立ち上げたくなる場面が出てきます。
最初のころは、ローカルで開くときの番号をその都度なんとなく決めていました。すると、すでに別のサイトを開いているのを忘れてもう一つ立ち上げ、番号がぶつかってエラーになる、ということがちょこちょこ起きます。さらに厄介なのは、番号を覚えていないせいで「いま画面に出ているこれ、どのサイトだっけ」と分からなくなることでした。
そこで、ローカルで開くときの番号をサイトごとに固定することにしました。ホテルはこの番号、スマホ料金はこの番号、と決めて、さっきの表に一緒に書いてあります。
番号が固定だと、「ホテルはいつもこの番号」とブラウザのブックマークにも入れておけますし、ぶつかってエラーが出たら「あ、もうどこかで開きっぱなしだな」とすぐ気付けます。覚えておく労力がまるごと消えるのが地味にありがたいところです。
巻き戻しの手順は事故る前に一度練習しておく
反映したあとで「やってしまった」と気付くこともあります。
ありがたいことに、私が使っているサイトの置き場には、前のバージョンに戻せる機能が管理画面に用意されています。個人で運営している身にはとても心強い機能で、何かやらかしても前の状態に戻せると思えるだけで、反映のときの気持ちがだいぶ楽になりました。
ただ、ここで一つ自分に課しているのは、「事故が起きてから初めて巻き戻し画面を開く、をやらない」ことです。
問題が起きてから初めてその画面に触ると、焦っているうえに操作も不慣れで、よけいにミスを重ねやすくなります。なので、新しいサイトを立ち上げて間もないころに、何も起きていない平常時に一度、わざと巻き戻しの操作を一通りなぞっておくようにしました。
「どのボタンを、どの順で押せば前に戻るか」を平常時に体で覚えておくと、いざというときに慌てずに済みます。手元のメモの先頭にも、「もし反映で事故ったらこの順で戻す」という短い手順を書き添えてあります。
反映で使う合言葉は本番には置かない
反映の作業では、外のサービスにつなぐための合言葉のようなものを使う場面があります。
これをサイトの中身に直接書いてしまうと、公開されるファイルや管理しているコードの中に混ざってしまうおそれがあります。一度漏れると取り戻しが効かないので、ここはかなり気を付けているところです。
私の基本方針は、「合言葉はサイトの中身には書かず、別の安全な場所で管理する」です。中身には書かず、反映のときに必要になったらその預け場所から取り出して使う形にしています。こうしておくと、サイトの中身を見られても合言葉まで一緒に見えてしまうリスクを減らせます。ローカルに置きっぱなしにして、うっかり一緒に送ってしまう事故も防ぎやすくなります。
反映を自分の手から手放す方向にも進めている
ここまでは「自分の手で反映するときに、どう事故を防ぐか」の話でした。
ただ、突き詰めていくと、取り違えも手順忘れも、結局は人間が手で反映していること自体から生まれます。なので一部のサイトでは、決まった置き場に変更を届けたら、自動的にサイトへ反映される、という形に寄せていっています。
この自動で反映する仕組みの中身は話が膨らむので別の記事に譲りますが(自動で反映する仕組みについては別記事で書きました)、方向としては「手で叩く回数を減らすほど、取り違えの機会も減る」と考えています。とはいえ全部を一気に自動へ寄せたわけではなく、いまも手で反映しているサイトはあるので、その分はここまでのルールで守っている、という二段構えです。
派手じゃないけれど、地味に効く
複数のサイトを反映する作業は、ひとつひとつは単純です。けれど数が増えると、「どこに」「何を」「どの順で」が少しずつこんがらがって、取り違えや手順忘れという形で事故が顔を出します。
取り違えや古い状態のままの反映は機械に止めてもらう、手順は表にして手元に置く、ローカルの番号は固定する、巻き戻しは平常時に練習しておく、合言葉は本番に置かない。どれも派手な工夫ではありませんが、こういう地味な備えが、長く運用していくほど効いてくるなと感じています。
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