なぜ投資が必要なのか — 貯金だけでは増えにくい時代の考え方
「投資はこわい」「貯金していれば十分」と感じる人は少なくありません。
実際、投資には値動きがあり、元本が保証されているわけではありません。それでも、低金利やインフレが続くなかで、「貯金だけ」では資産の価値は保ちにくいです。
この記事では、そもそもなぜ投資という選択肢が話題になるのかを整理します。自分にとって投資が必要かどうかを判断する材料として読んでみてください。
銀行に置くだけ、では増えにくい
かつては、お金を定期預金に預けておけば、それなりの利息がついた時代もありました。
しかし預金金利は、近年の利上げ後でも普通預金で年0.3〜0.4%程度(2026年7月時点の主要行の水準。金利は変動します)にとどまり、物価上昇の目標である年2%を下回っています。
たとえば年0.4%の金利では、100万円を1年預けても、増えるのは税引前で4,000円ほどです。「預けておけば自然に増える」と感じられるほどの利息は、今のところ期待しにくいのが実情です。
インフレで「現金の価値」は少しずつ目減りする
もう一つ見落とされがちなのが、物価の上昇(インフレ)です。
モノやサービスの値段が上がると、同じ金額で買えるものは少なくなります。つまり、現金をそのまま持っているだけでも、「お金の価値」は実質的に目減りしていきます。
日本銀行は、物価が年2%ずつ上がることを目標にしています。仮に物価が年2%で上がり続けると、いま100円で買えるものは、10年後にはおよそ122円出さないと買えなくなる計算です。言いかえれば、毎年2%ずつ給料が増えていかないと、物価の上昇に追いつけません。
預金金利が物価の上昇に追いつかない状況では、「減らしていないつもり」でも、買える量は静かに減っているわけです。
投資が話題になる背景には、この「現金のままでは価値が目減りしうる」という事情があります。
公的年金や給料だけでは、心もとない
公的年金は老後の大切な土台ですが、それだけで希望する暮らしをまかなえるかは人によって異なり、不足が見込まれる場合は自分でも老後資金を準備しておく必要があります。
また、収入が給料だけだと、病気やケガ、転職、勤め先の変化があったときに家計が揺れやすくなります。働ける期間にも限りがあります。働いているうちに、給料以外の「お金が育つ場所」を少しでも作っておくと、いざというときの選択肢を広げやすくなります。
大きな支出は、時間をかけて備えられる
教育費・住宅費・老後資金といった大きな支出を、毎月の貯金だけで準備しようとすると大変です。一方で、当面使う予定のないお金なら、投資を使って長い時間をかけて育てるという選択肢があります。
時間を長く取れるほど効いてくるのが複利です。複利とは、増えた利益にもさらに利益がついていく仕組みのことで、運用益がプラスで積み上がった場合、10年・20年と続けるほど差が広がっていきます(詳しくは「複利の力:10年・20年・30年でどれだけ差がつくか」で試算しています)。投資が「若いうちから」と語られやすいのも、利回りそのものより、時間を長く取れることのほうが効きやすいためです。
新NISAなど、使える制度がある
投資の利益にはおよそ2割の税金がかかりますが、新NISAでは、買付額ベースで1,800万円まで(年間の投資枠は合計360万円)の運用益が非課税になります。使うかどうかは目的とリスク許容度で判断するものですが、長期の資産形成では有力な選択肢です。
それでも投資は「元本保証ではない」
ここまで投資が選択肢になる理由を整理してきましたが、忘れてはいけない前提があります。投資に元本保証はありません。相場が下がる局面では投資額を下回ることもあり、売却すれば損失が確定します。
しかし、ここで前提にしているのは長期投資です。幅広く分散した株式インデックスの過去の実績では、保有期間が長いほどプラスで終わった割合が高い傾向がありました(将来を保証するものではありません)。「投資=一発当てる」ではなく、その逆です。「長期・積立・分散」をすることで、値動きの振れ幅を抑え、時間をかけて少しずつお金を育てていくイメージです。
投資はあくまで、「当面使う予定のない余裕資金を、長い時間をかけて育てる」ための選択肢です。短期間で増やすものではありません。具体的な方法は「インデックス投資の基本」や「投資信託とは何か」で説明しています。
始める前に — 生活防衛資金を先に確保
投資を考えるうえで、順番として先に来るのが生活防衛資金です。
病気やケガ、急な出費、収入が減ったときなどに備えて、生活費の1年分くらいを、すぐ引き出せる預金で確保しておくと安心です。この土台があると、慌てて投資をやめて現金化せずに済みます。
「投資を始めること」より、「途中でやめずに続けられる状態を作ること」のほうが先です。詳しくは「生活防衛資金の作り方」を参考にしてください。
まとめ
なぜ投資が必要なのか、を整理すると次のようになります。
- 預金金利は低く、預けておくだけでは増えにくい
- インフレが続くと、現金のままでも実質的な価値が目減りしうる
- 公的年金や給料だけに頼りにくく、自分でも備えておく必要が出てきている
- 教育・住宅・老後といった大きな支出に備えて、時間をかけて育てる
- 新NISAなど、利益が非課税になる制度も後押しになっている
次は、自分が何のために投資するのかを整理する「投資の目的を最初に決める」へ進むと、具体的な一歩につなげやすくなります。
最新の制度や数字(預金金利を含む)は変わることがあるため、実際に始める際は各社・各機関の公式サイトで確認してください。
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楽天証券で口座開設(楽天経済圏と相性がよい) SBI証券で口座開設(三井住友カード・Vポイント経済圏と相性がよい)よくある質問
- Q1. なぜ貯金だけでは増えにくいのですか?
- 預金金利が物価上昇率より低いためです。普通預金は主要行で年0.3〜0.4%程度(2026年7月時点)で、年0.4%でも100万円を1年預けて増えるのは税引前で4,000円ほどです。さらにインフレが続くと、現金のままでも価値が実質的に目減りしうるため、貯金だけでは資産の価値を保ちにくくなっています。
- Q2. インフレだと現金の価値はどうなるのですか?
- モノやサービスの値段が上がると、同じ金額で買えるものは少なくなり、現金をそのまま持っているだけでも「お金の価値」は実質的に目減りしていきます。日本銀行は物価が年2%ずつ上がることを目標にしており、仮に年2%で上がり続けると、いま100円で買えるものは10年後にはおよそ122円出さないと買えなくなる計算です。
- Q3. 投資をすれば必ず増えますか?
- いいえ。投資に元本保証はなく、相場が下がる局面では投資額を下回ることもあり、売却すれば損失が確定します。ここで前提にしているのは長期投資で、長期・積立・分散によって値動きの振れ幅を抑え、時間をかけて少しずつお金を育てていくイメージです。短期間で増やすものではありません。
- Q4. 新NISAとはどんな制度ですか?
- 投資の利益にはおよそ2割の税金がかかりますが、新NISAでは買付額ベースで1,800万円まで(年間の投資枠は合計360万円)の運用益が非課税になる制度です。長期の資産形成では有力な選択肢です。
- Q5. 投資を始める前にやっておくことはありますか?
- 生活防衛資金の確保が先です。病気やケガ、急な出費、収入が減ったときなどに備えて、生活費の1年分くらいをすぐ引き出せる預金で確保しておくと、慌てて投資をやめて現金化せずに済みます。投資を始めることより、途中でやめずに続けられる状態を作ることのほうが先です。