デュアルSIMの組み合わせ、最強はどれ? — 275プラン総当たりで計算した容量別の最安一覧
「デュアルSIMの最強の組み合わせは?」という問いに答えるには、本来ぜんぶ計算してみるしかありません。そこで当サイトが持っている 22ブランド・275プラン のデータを使い、メイン(音声回線)×サブ(データ回線)の全組み合わせを機械的に総当たり して、必要なデータ量ごとの最安を出しました。
結果は、よく言われている話とはかなり違いました。データ代だけで比べると、デュアルSIMはほとんどの容量帯で1回線より安くなりません。効いてくるのは通話代のほうでした。以下、計算の中身と前提をすべて開示したうえで説明します。
結論:デュアルSIMが効くのは「データ代」ではなく「通話代」
- データ量だけで比べると、デュアルにして安くなるのは5GB帯(90円差)と10GB帯(80円差)だけ。3GB・20GB・30GB・50GB・100GBは1回線のほうが安い
- 完全かけ放題を付ける前提なら、7帯すべてで楽天モバイルが絡む構成が最安(Rakuten Linkで国内通話が無料のため)
- ただし「楽天+サブ回線」が勝つのは5GB・10GB・30GBの3帯だけ。楽天は段階制(〜3GB 1,078円/〜20GB 2,178円/20GB超 3,278円)なので、段階の境目をまたぐ帯でしかサブ回線を足す意味がない。3GB・20GB・50GB・100GBは楽天1本のほうが安い
※すべて割引前・税込。計算の前提と除外したプランは 総当たり計算のセクション に開示しています。
0. 容量別の最安組み合わせ(275プラン総当たり)
まず前提を開示します。今回の計算では次の条件を入れました。
- 単独で契約できないプランはメイン回線から除外=ドコモ「データプラス」「5Gデータプラス」(既存回線とペア専用・公式に単独契約不可)、auのタブレット向け3プラン、au「ウォッチナンバープラン」(Apple Watch専用)、ドコモ「キッズケータイプラン3」(対象端末限定)、イオンモバイル「やさしい音声プラン」5種(60歳以上限定)
- povo2.0の基本料0円をメインに使う場合は、維持に必要な最小コストを加算。povo2.0は最後の有料トッピングの期限翌日から180日間トッピング購入がないと順次利用停止になるため、「0円のまま維持」はできません。最小構成である「データ追加1GB(180日間)」(総額1,260円)を月額換算した 210円 を必ず足しています。なお維持するだけならもっと安く済みます(最安は「データ使い放題(6時間)」250円を半年に1回=月あたり約42円)。それでもこの計算で1GBを持たせているのは、povoは高速データを持たない状態だと最大128kbpsで、メイン回線が不調になったときに切り替えても実用にならないためです。保険として本当に効かせるには、あらかじめデータを入れておく前提が要ります(詳しくは日本通信SIM×povo2.0のデュアルSIM運用)
- povo2.0の「基本料0円+データトッピング」はデュアルではなく1回線として数える。povoはSIM1枚に音声もデータも乗るため、これをデュアル側に数えると比較が成立しません
- 2回線が別の回線網になる組み合わせだけを対象にする。ドコモ網の音声にドコモ網のデータを足しても、障害や圏外のときは2回線とも同時に止まります。それは「容量を足した1回線」であってデュアルSIMの利点がないため、同じ網どうしの組み合わせは除外しました。mineo・NUROモバイルのように契約時に網を選べるMVNOは、相手と違う網を選べば成立とみなしています
- 常時1Mbps未満に制限されるプランはメイン回線から除外(mineo「マイそく ライト/スーパーライト」、BB.exciteモバイル「Fit 低速のみ」、au「U12バリュープラン」、ロケットモバイル「神プラン」の5プラン)。番号と通話のためだけに持つとしても、最大32kbps〜300kbpsではいざというときに使えず、2回線目を持つ意味がないためです
- データ量が決まらないプラン(使い放題・時間制トッピングなど)は容量別ランキングの対象外
0-1. データ量だけで比べた場合
通話オプションを付けない状態で、必要なデータ量を満たす最安の組み合わせと、同じ容量を1回線でまかなう場合の最安を並べます。
| 必要なデータ量 | デュアルSIM最安(メイン+サブ) | 回線網 | 電話番号 | 合計 | 1回線でまかなう最安 | 差 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 3GB | povo2.0 基本料0円(維持費210円)+ HISモバイル データ定額2.0 3GB(580円) | au × ドコモ | 1つ | 790円 | BB.exciteモバイル Fit 〜3GB 690円 | 1回線が100円安い |
| 5GB | povo2.0 基本料0円(維持費210円)+ IIJmio データeSIM 5GB(650円) | au × ドコモ | 1つ | 860円 | IIJmio ギガプラン 5GB 950円 | デュアルが90円安い |
| 10GB | povo2.0 基本料0円(維持費210円)+ IIJmio データeSIM 10GB(1,050円) | au × ドコモ | 1つ | 1,260円 | HISモバイル 自由自在2.0 10GB 1,340円 | デュアルが80円安い |
| 20GB | povo2.0 基本料0円(維持費210円)+ 日本通信SIM ネットだけプラン20GB(1,200円) | au × ドコモ | 1つ | 1,410円 | 日本通信SIM 合理的みんなのプラン 1,390円 | 1回線が20円安い |
| 30GB | povo2.0 基本料0円(維持費210円)+ mineo マイピタ30GB シングルタイプ(1,925円) | au × ドコモ mineoはドコモを選ぶ | 1つ | 2,135円 | BB.exciteモバイル Flat 30GB 2,068円 | 1回線が67円安い |
| 50GB | 日本通信SIM 合理的50GBプラン(2,178円)+ povo2.0 データ追加1GB(180日間)(1,260円・月額換算210円) | ドコモ × au | 2つ | 2,388円 | 日本通信SIM 合理的50GBプラン 2,178円 | 1回線が210円安い |
| 100GB | HISモバイル 自由自在2.0(100MB未満・280円)+ povo2.0 データ追加1.32TB/365日(3,270円) | ドコモ × au | 2つ | 3,550円 | povo2.0 基本料0円 + データ追加1.32TB/365日 3,270円 | 1回線が280円安い |
7帯のうち、デュアルSIMが安かったのは5GBと10GBの2帯だけ、しかも差は80〜90円でした。残る5帯は1回線のほうが20〜280円安く、データ代を下げる目的でデュアルSIMを組む理由はほとんどないという結果です。
ただし、この「1回線が○円安い」の中身は帯によって違います。たとえば50GB帯の210円は、1回線(日本通信SIM 合理的50GBプラン)に対して au網のpovoをもう1枚持つための費用 です。ドコモ網が止まったときの備えを月210円で買うかどうか、という判断になります。逆に5GB・10GB帯は、2回線に分けたほうが安いうえに網も2つになる という珍しい帯です。100GB帯も同じで、povoは1枚のSIMで音声もデータも持てるため、わざわざ2回線に分けるほうが高くつきます。
電話番号がいくつになるかは帯によって違います。3GB〜30GBの5帯はサブがデータ専用SIMなので番号は1つのままですが、50GBと100GBの2帯はサブがpovo(音声SIMにトッピングを乗せる形)なので番号が2つになります。番号を増やしたくない場合は、この2帯では1回線でまかなうか、サブをデータ専用SIMに置き換えてください。
0-2. 完全かけ放題を付ける前提で比べた場合(3つの選び方を横並び)
ここで結果が変わります。楽天モバイルは Rakuten Linkアプリからの国内通話が無料 なのに対し、他社で完全かけ放題を付けると月1,100〜1,980円かかります。この差が損得をひっくり返します。
選び方は3つあります。①1回線+かけ放題/②楽天モバイル+データ専用サブ回線(データをサブに逃がして楽天を安い段階に留める)/③楽天モバイル1本。②③はどちらも通話がRakuten Linkで無料なので、通話料は同条件です。
| 必要なデータ量 | ①1回線+完全かけ放題 | ②楽天+サブ回線(通話無料) | ③楽天1本(段階制・通話無料) | いちばん安いのは |
|---|---|---|---|---|
| 3GB | HISモバイル 自由自在2.0 3GB 770円+かけ放題1,480円=2,250円 | 楽天1,078円+日本通信 ネットだけ1GB 119円=1,197円 | 1,078円(〜3GBの段階) | 🔴 ③楽天1本 ②より119円安い |
| 5GB | HISモバイル 自由自在2.0 7GB 990円+かけ放題1,480円=2,470円 | 楽天1,078円+IIJmio データeSIM 2GB 440円=1,518円 | 2,178円(〜20GBの段階) | ②楽天+サブ ③より660円安い |
| 10GB | HISモバイル 自由自在2.0 10GB 1,340円+かけ放題1,480円=2,820円 | 楽天1,078円+HISモバイル データ定額2.0 7GB 880円=1,958円 | 2,178円(〜20GBの段階) | ②楽天+サブ ③より220円安い |
| 20GB | 日本通信SIM 合理的みんなのプラン 1,390円+かけ放題1,600円=2,990円 | 楽天1,078円+日本通信 ネットだけ20GB 1,200円=2,278円 | 2,178円(〜20GBの段階) | 🔴 ③楽天1本 ②より100円安い |
| 30GB | 日本通信SIM 合理的50GBプラン 2,178円+かけ放題1,200円=3,378円 | 楽天1,078円+mineo マイピタ30GB シングル 1,925円=3,003円 | 3,278円(20GB超・無制限) | ②楽天+サブ ③より275円安い |
| 50GB | 日本通信SIM 合理的50GBプラン 2,178円+かけ放題1,200円=3,378円 | 楽天1,078円+mineo マイピタ50GB シングル 2,695円=3,773円 | 3,278円(20GB超・無制限) | 🔴 ③楽天1本 ①より100円安い |
| 100GB | povo2.0 データ追加1.32TB 3,270円+かけ放題トッピング1,650円=4,920円 | 楽天1,078円+povo データ追加1.32TB 3,270円=4,348円 | 3,278円(20GB超・無制限) | 🔴 ③楽天1本 ②より1,070円安い |
通話定額が要るなら、7帯すべてで楽天モバイルが絡む構成が最安でした。他社が月1,100〜1,650円取る完全かけ放題を、楽天は基本料の中に含んでいる(Rakuten Link利用)からです。デュアルSIMの節約効果の正体は、データの安さではなく通話定額の置き換えだと言えます。
そのうえで、②と③の勝敗は「楽天の段階の境目をまたぐかどうか」で決まります。楽天は〜3GB 1,078円/〜20GB 2,178円/20GB超 3,278円の段階制なので、
- ②が勝つのは 5GB・10GB・30GB の3帯だけ=段階の境目を少し超える帯。サブ回線に逃がせば楽天を下の段階に留められるので、その差額が効きます
- ③が勝つのは 3GB・20GB・50GB・100GB の4帯=段階にちょうど収まる帯(3GB・20GB)と、上限3,278円で頭打ちになる帯(50GB・100GB)。ここでサブ回線を足しても、増えるのは料金だけです
つまり「データはサブに寄せて楽天を最安段階に留める」という定石が効くのは、段階をまたぐ帯に限られます。50GB以上を使うなら、素直に楽天1本のほうが安く、回線も1本で済みます。
※②③の通話は Rakuten Link アプリからの国内通話が無料という前提です。ナビダイヤル(0570)など一部の番号や、アプリを使わない発信は対象外で、標準電話アプリからの発信は22円/30秒がかかります。②のサブはデータ専用SIMなので通話には使いません。
0-3. ②「楽天+サブ回線」を組むときの中身
②を選ぶ場合、必要なデータ量ごとの最安サブ回線は上の表のとおりです(楽天側は〜3GBの1,078円に固定し、データはサブに寄せます)。サブはデータ専用SIMなので、電話番号は楽天モバイルの1つのままです。楽天が弱いエリアをドコモ網で補う具体的な設定手順は 楽天モバイル×日本通信SIMのデュアルSIM運用 で解説しています。
0-4. なぜ最安の組み合わせは「ドコモ×au」ばかりなのか
0-1の表を見ると、7帯すべてが ドコモ網×au網 になっています。これは偶然ではなく、プランデータを分解すると理由が2つ見えます。
理由1: サブに使えるデータ専用プランに、SoftBank網の単独提供がない。データ専用90プランの網の内訳は次のとおりです。
| 回線網 | データ専用プラン数 |
|---|---|
| ドコモ網のみ | 47 |
| au網のみ | 22 |
| 3社から選択(mineo・NUROモバイル) | 12 |
| ドコモ/auから選択 | 9 |
| SoftBank網のみ | 0 |
SoftBank網でデータ専用SIMを持とうとすると、mineo か NUROモバイルの契約時に SoftBank を選ぶしか方法がありません。そして同じ容量で比べると、3GBはドコモ網580円に対してSoftBank網627円、10GBはドコモ網1,050円に対して1,320円と、SoftBank網が最安になる容量帯がありません(30GB帯は3社ともmineoの1,925円で同額)。最安を選ぶ計算をすると、必ずドコモ網かau網が残ります。
理由2: メイン側で「ほぼ固定費ゼロで網を1つ確保する」ことができるのが povo2.0 だけ。povo2.0は基本料0円で、維持に必要な最小コストが月210円です。この水準の音声回線は他社にありません。結果としてau網の枠は povo2.0 が独占し、相手役にはドコモ網の安いデータ専用プランが入る、という組み合わせに収束します。
では、SoftBank網は料金で劣っているのかというと、そうとも言えません。音声プランの最安を網ごとに並べると、次のように僅差の2番手です。
| 必要なデータ量 | ドコモ網 最安 | au網 最安 | SoftBank網 最安 |
|---|---|---|---|
| 3GB以上 | 690円 BB.exciteモバイル Fit | 690円 同左 | 792円 NUROモバイル VSプラン |
| 20GB以上 | 1,390円 日本通信SIM 合理的みんなのプラン | 1,958円 イオンモバイル さいてきプラン | 2,178円 mineo マイピタ30GB |
| 30GB以上 | 2,068円 BB.exciteモバイル Flat | 2,068円 同左 | 2,178円 mineo マイピタ30GB |
3GB帯で月102円、30GB帯で月110円の差です。20GB帯だけ差が開きますが、これはSoftBank網が高いというより、ドコモ網に日本通信SIMの合理的みんなのプラン(20GB+月70分の無料通話つきで1,390円)が突出して存在していることによるものです。
そして重要なのは、この計算に入っていない要素があることです。実際の電波の入りやすさ(地下・建物内・地域差)は料金表からは分かりませんし、家族割や光回線セット割はSoftBank・ワイモバイルが厚い領域です。ここで言えるのは「最安を機械的に選ぶとSoftBank網は残らない」までで、SoftBank網を選ぶ意味がない、という話ではありません。
SoftBank網を確実に組み込みたい場合は、選択肢は次の2つになります。
- mineo か NUROモバイルでSoftBank網を選んでサブにする(データ専用でSoftBank網を持てるのはこの2社だけ)
- ワイモバイルまたはLINEMOをメインにして、サブをドコモ網かau網のデータ専用にする(家族割・光セット割が効くならこちらが総額で有利になることがあります)
※この計算は当サイトのプランデータ(22ブランド275プラン・毎週更新)に対する総当たりの結果です。家族割・光回線セット割・キャンペーンは条件が人によって変わるため計算に含めていません(すべて割引前・税込)。割引が使える場合は結論が変わることがあります。
ここから先は、金額以外の判断材料(何のために2回線にするか、番号をいくつ持つか、どんな落とし穴があるか)を整理します。組み合わせの金額そのものは上の総当たり表が答えなので、「自分がどのパターンを組みたいのか」を決めるための解説として読んでください。
迷ったら、まず「電話番号を1つのままにするか、2つ持つか」を決めるのが近道です。サブ回線をデータ専用SIMにすれば番号は1つのまま、音声SIMにすれば番号は2つになります。代表的な組み合わせと月額の目安は次のとおりです(詳しい条件は本文の組み合わせ表で解説しています)。
| 選び方 | 組み合わせ例 | 月額の目安 |
|---|---|---|
| 番号1つのまま (データだけ足す) → 3-1へ | 楽天モバイル + 日本通信SIM ネットだけプラン | サブ119円(1GB以下)〜1,200円(20GB) |
| ahamo・UQモバイルなど + IIJmio データeSIM 2GB/5GB | サブ440円/650円 | |
| 番号2つ持つ (回線を使い分ける) → 3-2へ | 楽天モバイル × povo2.0 | 合計1,078〜6,058円 |
| 楽天モバイル × 日本通信SIM(音声) | 合計1,368〜3,568円 |
1. デュアルSIMのメリット・デメリット
デュアルSIMは「1台のスマホに2回線」、2台持ちは「端末2台に1回線ずつ」。かさばり方などは違いますが、料金面のメリット・デメリットはおおむね共通です。
メリット
- 通話定額を安く付けられる:楽天モバイルのように通話無料の回線をメインにすれば、他社で月1,100〜1,650円かかる完全かけ放題を実質的に置き換えられる(0-2の計算)。逆に、通話定額が要らない人はデータ代だけで見るとデュアルにしても安くならないことが多い
- 圏外・通信障害の保険:別系統の通信網(ドコモ系×au系、楽天×ドコモ系など)を2つ持てば、片方が不調でももう片方でしのげる
- 番号の使い分け:仕事用とプライベートなど、2つの電話番号を1台で持てる(音声回線を2つにした場合)
- データのメリハリ運用:普段は安く抑え、使う月だけサブでデータを足せる
デメリット
- 支払い・管理が2社に分かれる:クレカ明細やサポート窓口が2つになり、家計把握がやや面倒
- 設定の手間:eSIMの追加や、データを使う回線の切替設定が必要
- 1台集中のリスク(デュアルSIM):1台が電池切れ・故障すると両回線が止まる(2台持ちなら分散できる代わりにかさばる)
2. デュアルSIMの用途
「何のために2回線にするか」で、選ぶ組み合わせが変わります。代表的な用途は次のとおりです。
- データを安く・大容量に:メインを大容量プランにし、足りない月だけサブで補強する
- 圏外・障害の保険:別キャリアの網を2つ持ち、繋がる可能性を上げる
- 番号を分ける:仕事用とプライベートを別番号にして、着信・通知を混ぜない
- 海外での利用:現地eSIMや海外対応プランを、普段の番号を残したまま足す
- 古い端末の再利用:余っているスマホを2台目にして、追加コストを月額だけに抑える(2台持ち)
iPhoneはXS/XR以降の多くがデュアルSIM(物理SIM+eSIM)に対応しています。各サービスのeSIM対応や設定手順は eSIMのメリット・デメリットと対応端末 も参考にしてください。
3. 組み合わせ — 電話番号の数で選ぶ
組み合わせを考えるとき、最初に決めておくと迷いにくいのが 「電話番号を1つのままにするか、2つ持つか」 です。サブ回線に何を選ぶかで、ここが決まります。
| タイプ | 電話番号 | サブに使う回線 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| データだけ足す型 | 1つのまま | IIJmio・mineoのデータ専用SIM、日本通信SIMのネットだけプラン | 番号を増やして管理したくない/安くギガだけ補強したい |
| 回線を使い分ける型 | 2つになる | povo2.0・日本通信SIM(音声)・楽天モバイルなどの音声SIM | 網の保険がほしい/仕事とプライベートを分けたい/0円でサブを寝かせたい |
3-1. 電話番号が1つの場合(データだけ足す)
メインの音声回線はそのまま、サブは データ専用SIM にして容量だけ補強します。番号は1つで済み、月額も数百円台から。緊急通報や通話はメイン回線が担うので、サブはデータに専念できます。
| メイン(音声・番号) | サブ(データ専用) | サブの月額目安 | ねらい |
|---|---|---|---|
| 楽天モバイル | 日本通信SIM ネットだけプラン | 119円(1GB以下)〜1,200円(20GB) | 楽天が弱いエリアはドコモ網で補完(切替は手動または端末の自動切替機能・挙動は端末・OS・設定による) |
| ahamo・UQモバイルなど | IIJmio データeSIM 2GB/5GB | 440円/650円(ドコモ網のみ) | メインの容量を少しだけ安く足したい |
なお、2行目の「ahamo + IIJmio データeSIM」はどちらもドコモ網です。容量を安く足すのが目的ならこれで問題ありませんが、ドコモ網の障害時には2回線とも同時に止まるため、通信障害の保険にはなりません。保険もほしい場合は、サブを別の網(au網・SoftBank網)にしてください。0-1の総当たり表は、この理由から同じ網どうしの組み合わせを除外して計算しています。
特に 楽天モバイル + 日本通信「ネットだけプラン」 は、番号を1つに保ったまま、楽天が弱いエリアではドコモ網へデータ通信を切り替えて補完できる相性のよい組み合わせです(切り替えは手動、または端末の自動切替機能で行う形になり、挙動は端末・OS・設定によって変わります)。設定手順や月額の詳しい試算は 楽天モバイル×日本通信SIMのデュアルSIM運用 で解説しています。
サブ用データ専用SIMの候補に挙げたmineo・IIJmioは、メイン回線としても人気の2社です。この2社のどちらを軸にするか迷う方は「mineoとIIJmioはどっちがいい?料金・速度・通話の10項目比較」もあわせてご覧ください。
メイン回線を ahamo と UQモバイルのどちらにするか決めかねている方は「ahamoとUQモバイルの違いを10項目で比較」で、料金・割引・電波の違いを整理しています。
3-2. 電話番号が2つの場合(回線を使い分ける)
サブに 音声SIM を足すと電話番号は2つになりますが、そのぶん「網の保険」「仕事とプライベートの番号分け」「0円でサブを寝かせる」といった使い方ができます。代表的な組み合わせは次のとおりです。
| 組み合わせ | 合計月額目安(データ使用量により変動) | こう使う |
|---|---|---|
| 楽天モバイル × povo2.0 | 1,078〜6,058円 ※povo購入なし〜30GB(30日間)2,780円を1回購入した月の例 | データ量重視。20GB超も3,278円で頭打ち+Rakuten Link通話無料(一部対象外番号あり)、povoでau網の保険を基本料0円で待機(180日ルールあり) |
| ahamo × povo2.0 | 2,970〜5,750円 | ドコモ網の安定+海外対応(国内分と合算30GB・海外利用開始から15日超で速度制限)+5分通話込み。使う月だけpovoで容量を足す |
| 日本通信SIM × povo2.0 | 1,390〜4,170円 | 固定費最重視。20GB+短時間通話定額をメインに、混雑時などはpovoに切り替える選択肢(速度は場所・時間帯で変動) |
| 楽天モバイル × 日本通信SIM(音声) | 1,368〜3,568円 | 低コストで楽天網+ドコモ網の2網を音声付きで確保(日本通信側1GB以内の場合。1GB超は1GBあたり220円加算)。楽天は段階制で使わない月は安くなる |
※月額のほかに、契約時の初期費用やSIM/eSIM発行手数料が別途かかる場合があります。
サブにpovoが人気なのは 基本料0円 で持てるからですが、povo2.0は最後に購入した有料トッピングの有効期限日の翌日(購入がない場合はSIM有効化日)から 180日間、有料トッピング購入がないと順次利用停止 になることがあります。半年に1回「データ使い放題(24時間)330円」などを買うタイミングを管理しておけば、年数百〜2,000円程度でau回線を確保できます。
同じ通信網どうしは“保険”になりません。povoはau回線なので、au・UQモバイルをメインにpovoをサブにしても、共通設備の障害では同時に影響を受ける可能性が高く、別々の網を組み合わせる場合より冗長性が下がります。網の分散が目的なら、メインとサブは別系統(ドコモ系×au系、楽天×au系、楽天×ドコモ系など)で組んでください。
4. 注意点
- データ回線の切替ミス:機種変更やiOSアップデート直後に、データ通信側の回線が意図せず切り替わることがある。料金体系の違うサブに大量のデータが流れる事故を避けるため、設定アプリの「モバイル通信」は時々確認を
- 支払い・サポートの二重化:明細が2社分に分かれ、トラブル時もメイン/サブどちらの問題か切り分けてから問い合わせる必要がある
- 別系統で組む:保険が目的なら、メインとサブは必ず別の通信網に(同一網は圏外・障害・災害時に同時に止まる)
- 緊急通報:データ専用SIMは110/119を発信できない。緊急通報はメインの音声回線が担う前提で組む
- 2回線目の追加はMNP不要:いまの番号を引き継ぐ必要がなければ、サブは新規契約として申し込むだけ。本人確認書類は用意を
- 短期解約の手数料:楽天モバイルとahamoは、新規契約から1年以内の解約などで手数料(最大1,078円/1,100円)が発生する場合あり。povo・日本通信SIMは契約解除料なし
5. まとめ
275プランの総当たり計算から言えるのは、デュアルSIMは「データを安くする手段」ではなく「通話定額を安くする手段」だということです。判断は次の順で進めると迷いません。
- 通話定額が要るかを先に決める。要らないなら、多くの帯で1回線のほうが安い(0-1の表)。要るなら、7帯すべてで楽天モバイルが絡む構成が最安(0-2の表)。サブ回線を足す意味があるのは段階の境目をまたぐ5GB・10GB・30GBだけで、3GB・20GB・50GB・100GBは楽天1本が安い
- 料金以外の目的があるかを確認する(通信障害の保険/番号の使い分け/海外)。この場合は多少割高でも2回線にする価値がある
- 電話番号を1つに保つか、2つ持つかを決める(サブがデータ専用=1つ/音声SIM=2つ)
- そのうえで、通信網が別系統になる組み合わせを選ぶ(同一網どうしは障害時の保険にならない)
「番号は増やさずデータだけ安く足したい」なら データだけ足す型、「網の保険や番号の使い分けがほしい」なら 回線を使い分ける型 が出発点です。毎月のギガ消費にムラがある人ほど、2回線運用との相性が良いはずです。
よくある質問(FAQ)
- Q. デュアルSIMの“最強の組み合わせ”は結局どれ?
- 275プランを総当たりで計算した結果は「通話定額が要るかどうかで答えが変わる」でした。通話定額が要らないなら、データ代だけで見るとデュアルが安いのは5GB帯(90円差)と10GB帯(80円差)だけで、ほかの帯は1回線のほうが安くなります。通話定額が要るなら、7帯すべてで楽天モバイルが絡む構成が最安でした(Rakuten Linkで国内通話が無料のため)。ただし楽天は段階制(〜3GB 1,078円/〜20GB 2,178円/20GB超 3,278円)なので、サブ回線を足す意味があるのは段階の境目をまたぐ5GB・10GB・30GBの3帯だけです。3GB・20GB・50GB・100GBは楽天1本のほうが安くなります。金額の一覧は総当たり計算のセクションにあります。なお、同じau網どうし(au・UQ×povo)は障害時の保険にならない点に注意が必要です。
- Q. 電話番号を増やさずにデュアルSIMにできますか?
- できます。サブ回線を「データ専用SIM」(IIJmio・mineoのデータプラン、日本通信のネットだけプランなど)にすれば、電話番号はメイン回線の1つのままで、データ容量だけを補強できます。サブにpovoなどの音声SIMを選ぶと電話番号は2つになります。
- Q. メイン回線とサブ回線、どちらをどのキャリアにすればいい?
- メイン回線は「データ消費が読みにくくても安心の容量・通話付き」のプランを、サブ回線は「基本料が安く必要時だけ使えるプラン」を選ぶのが基本です。災害・通信障害対策を重視するなら、メインとサブで異なるキャリア網(ドコモ系とau系、楽天系とドコモ系など)を組み合わせるのが定石です。
- Q. iPhoneでデュアルSIMは使える?
- Apple公式では、iPhone XS/XR以降の多くのモデルで物理SIM+eSIMのデュアルSIMに対応しています。iPhone 13以降は2つのeSIMを使ったデュアルSIMにも対応しています。対応状況は端末・通信事業者によって変わるため、契約前に各社の動作確認端末一覧で確認してください。
- Q. povo を0円でずっと維持できる?
- 完全に0円のまま永久維持はできません。povo2.0は最後に購入した有料トッピングの有効期限日の翌日から180日間、有料トッピング購入がない場合は順次利用停止になることがあります。電話番号維持目的でも、半年に1回程度は「データ使い放題(24時間)330円」などのトッピング購入が必要です。
- Q. データ専用SIMはサブ回線として使える?
- 使えます。IIJmio・mineo・日本通信SIMなどのデータ専用プランは月額数百円から契約でき、メイン回線で電話番号を維持しつつ、サブでデータだけ補強するスタイルに向きます。ただし、データ専用SIMは110番/119番などの緊急通報に発信できない点に注意してください。緊急通報はメインの音声回線から発信します。
- Q. デュアルSIMにすると料金は高くなりませんか?
- 高くなる帯があります。通話オプションを付けない前提で計算すると、3GB・20GB・30GB・50GB・100GBの各帯では1回線のほうが20〜280円安く、デュアルにすると割高になりました。一方で完全かけ放題を付ける前提なら、7帯すべてで楽天モバイルが絡む構成が最安になります。ただしサブ回線を足す「楽天+サブ」が勝つのは5GB・10GB・30GBの3帯だけで、3GB・20GB・50GB・100GBは楽天1本のほうが安くなります。「デュアルSIMは必ず安い」ではなく、通話定額を安く付けたいときに効く手段と考えるのが実態に近いです。詳しくは総当たり計算のセクションをご覧ください。
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楽天モバイル・ahamo・povo・日本通信SIMを含む大手キャリア/格安SIM 22ブランド・250プラン以上 を、月のギガ数で絞り込んで横並びで比較できるツールを公開しています。
スマホ料金比較ツール(22ブランド・250プラン以上)→ tool-koubou.com/sim
メイン回線とサブ回線の組み合わせを試算するときも、毎月使うギガ数を入れるだけで条件を満たすプランが安い順に並ぶので、本記事で紹介した以外の組み合わせも比較できます。
※ 本記事の料金・プラン内容は2026年7月時点の各社公開情報を基に作成しています。料金は税込で記載していますが、表記が税抜の元情報もあるため、実際の請求金額は必ず各社公式サイトでご確認ください。最新情報は楽天モバイル公式サイト・ahamo公式サイト・povo公式サイト・日本通信SIM公式サイトで確認してください。