真っ白なページが、機械の点検を全部すり抜けていました
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開いたら、何も出ませんでした
サイト全体の見回り点検で、ページを1枚ずつ撮影した画像を順に眺めていたときのことです。子育て向けサイトの記事一覧が、真っ白でした。あわてて実物のページを開いても、やっぱり真っ白です。
読み込み中でもなく、エラーの表示でもなく、ただ白い。何度読み込み直しても白い。記事は20本近くあるはずのページです。いつからこうなっていたのか、その時点では見当もつきませんでした。
この一覧は、ほかのページから「記事を読もう」と思って移ってきた人が開く場所です。そういう人にこそ白い画面を見せていたと思うと、気分は最悪でした。壊れるなら、もっと目立つところで壊れてほしいものです。
犯人は、引用符ひとつでした
原因はすぐに見つかりました。ページのいちばん上、タブに出る小さなアイコンを指定している部分です。そこで引用符の閉じが1つ抜けていました。
閉じられていない引用符があると、その先に続く文字は「まだ引用符の中身」として読まれ続けます。つまり、そこから下のページ全体が、アイコンの指定の一部として飲み込まれていました。ページの中身が丸ごと「文字の設定値」になってしまえば、そりゃ何も表示されません。
直すのは一瞬です。同じ指定が別のページにも書いてあったので、そちらの正しい行をそのまま持ってきて置き換えました。作業時間より、白い画面を見たときの心臓に悪い感じのほうが、よほど印象に残っています。
あとから記録をたどったら、いつからかも分かりました。18日前です。しかも壊したのは、前回の見回り点検で出た指摘をまとめて直したときの、私自身の手でした。アイコンの指定を足す修正で、その1行が途中で切れたまま公開されていたのです。点検で見つけた不具合を直す作業が、次の点検まで誰にも気づかれない不具合を作っていた。これはこたえました。
引用符ひとつでデータ全体が読めなくなる事故は、以前にもやりました。あのときは施設名に含まれる「‘」がデータの区切りと誤解された話で、場所も理屈も違いますが、機械は文字どおりにしか読まないという一点は同じです。
点検は、全部緑でした
問題はそこからでした。このページ、当時動かしていた機械の点検には一度も引っかかっていなかったのです。
私はサイトの見回りを、いくつかの機械の点検に頼っています。ページが生きているか。リンクが切れていないか。表示がはみ出していないか。これらは全部、正常と出ていました。
考えてみれば当然です。サイトを配る側は正常に応答しています。中身も、空ではない形でちゃんと返ってきています。リンク切れでもありません。機械から見れば、このページはどこも壊れていないのです。壊れているのは「返ってきた中身が、画面に何も描かない」という一点だけで、そこを見ていた点検が一つもありませんでした。
じつは、点検が緑のまま壊れていたのは初めてではありません。地図が丸ごと表示されていなかったときも、週に一度の点検はその間ずっと「異常なし」でした。ただ、あのときの見落としはエラーが別の窓口に記録されていたからで、今回は返ってきた中身そのものを誰も見ていなかったという違いがあります。ふさいだつもりの穴は、別の形でまた開きます。
「点検が全部緑だから大丈夫」と思い込んでいたのが、いちばん危なかったところです。緑は「私が測ると決めた項目に異常がない」という意味でしかありません。測っていない項目については、緑も赤も出ない。 白い画面は、その空白地帯にすっぽり入っていました。
点検に「文字が出ているか」を足しました
対処として、点検の項目に一つ足しました。そのページに、目に見える文字がちゃんとある程度の量あるかを見るだけの、単純な確認です。
これなら、今回のように中身が飲み込まれて真っ白になった場合に引っかかります。中身が空の状態で公開してしまった場合も同じです。判定はざっくりで構いません。「ゼロに近いかどうか」が分かれば十分でした。
今回のことで、点検を足すときの考え方が少し変わりました。これまでは「どんな壊れ方をするか」を想像して項目を足していました。これからは、すでにある点検が何を見ていないかのほうから考えたいと思います。壊れ方は無限にありますが、見ていない場所は、数えれば有限です。
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