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「いつかビルを建てたい」を数字にした——妄想シミュレーター『理想のビルオーナー』を作った話

公開: 2026-07-09 · #83 / 最終更新: 2026-07-09 個人開発妄想シミュレーター遊びツールPWA

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「1階はコンビニで、最上階に住む」という妄想

昔から、街を歩いていてビルを見上げるたびに考えていたことがあります。「もし自分がビルを建てたら、1階に何を入れるか」。1階はコンビニ、2階はカフェ、上の方の階に自分が住む。誰でも一度はやったことのある妄想だと思います。

ただ、この妄想にはいつも続きがありませんでした。で、実際いくらかかるのか。家賃収入は月いくらになるのか。そこが分からないまま、妄想はいつも「いいなあ」で終わっていました。

それなら計算できるツールを作ればいい。そう思って作ったのが「理想のビルオーナー」です。実在する店を積み上げてビルを建てたら、建設にいくらかかって、毎月いくら回るのかを出す妄想シミュレーターです。

公開URLはこちら → biru.tool-koubou.com

店のカタログは66種類

積める店のカタログは66種類。コンビニ、カフェ、回転寿司、100円ショップ、映画館、クリニックまで、飲食・物販・サービス・遊び・医療といったカテゴリから選べます。店ごとに必要な広さと出店費用が設定してあって、たとえばたこ焼きの店なら8坪で済みますが、映画館は800坪も必要です。映画館を入れた瞬間にビルが巨大化して、土地代が跳ね上がります。この「なるほど、だから駅前に映画館は少ないのか」という発見が、作っていて一番楽しかったところです。

念のため書いておくと、店名は実在するチェーンですが、金額は各社の公表値ではなく、業態のおおよその相場から作った架空の概算です。あくまで妄想を楽しむための目安で、ツールの中にもその断り書きを入れてあります。

立地と構造で結果がまるで変わる

こだわったのは、選べる要素の多さです。立地は銀座から「のどかな田舎」まで10種類。銀座は土地が1坪5,000万円という設定なので、同じビルでも建てる場所を変えるだけで総額が桁違いになります。建物の構造も木造・鉄骨・RC造(コンクリートの頑丈なやつ、と理解しています)から選べて、エレベーターの台数や駐車場のタイプ(平面・立体・機械式・地下)まで決められます。

地味に気に入っているのがフードコートです。飲食店があるフロアには座席数を設定でき、店の数に対して席が足りないと「混みすぎ」、多すぎると「ガラガラ」と混雑度が表示されます。席を増やすと快適になりますが、そのぶん床を食って費用もかさみます。このジレンマがちょっとした経営ごっこになっています。

そして一番のお気に入りが、隠しフロア「自分の家」。好きなフロアを自分の住まいにできます。そのフロアからの家賃収入はゼロになるのですが、代わりに自分がビルに住めます。ペントハウスや露天風呂付きの離れまで用意しました。妄想ツールなのだから、ここはどうしても外せませんでした。

数字が突きつけてくる現実

結果画面には、土地代・建築費・出店費用・エレベーター・駐車場を合計した建設費と、家賃収入から管理費や固定資産税の概算などを引いた月の収支が出ます。黒字か赤字かが一目で分かります。

使ってみて痛感したのは、妄想と現実の距離です。銀座に映画館入りのビルを建てる妄想は、数字にすると気が遠くなる金額になりました。逆に、郊外に小さめのビルを建てて手堅い店を入れると、意外と収支が成り立ちそうに見えたりします。もちろん全部架空の概算なので真に受けてはいけないのですが、「妄想に数字がつく」だけでこんなに面白くなるのかと自分でも驚きました。

開発はいつものようにAIに手伝ってもらいました。フロアマップで店の広さがタイルの面積になって表示される部分など、中で何が起きているのか正直あやしい箇所もありますが、指で店をドラッグして好きな場所に配置できるのは触っていて気持ちいいものです。

妄想は共有できる

作ったビルはURLで共有できます。共有すると「◯階建て・店舗◯軒のビルを建てました!」という一文と建設費・月収支がリンクと一緒に出るので、家族に自慢の(あるいは大赤字の)ビルを見せられます。スマホのホーム画面にも追加できるので、アプリのように開けます。

役に立つツールかと聞かれると、たぶん立ちません。でも、子どもの頃からの「いつかビルを」という妄想に初めて値札がつきました。実用性ゼロのツールを大真面目に作るのは、それはそれで格別の楽しさがあります。あなたの理想のビルも、ぜひ建ててみてください。


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